Mar 05, 2011
データ復旧のアプリケーション
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菅直人首相が延長国会会期中の成立に意欲を示す再生エネルギー特別措置法案は、24日の民主、自民両党の国対委員長会談が物別れに終わるなど審議入りのめどすら立っていない。民主党が成立に向け協力に期待を寄せる公明党も採決を急ぐべきでないと主張、首相は延長早々出はなをくじかれた格好だ。(小島優)
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「70日間国会が延長された。東日本大震災対応が中心だが、7月中に少なくとも今、出ている課題は仕上げたい。私自身、この間に燃焼し尽くす」首相は24日の閣僚懇談会で、特措法案や平成23年度予算執行に必要な特例公債法案など重要法案を7月中に成立させる決意を示した。しかし、現実は厳しさを増している。
この日午前、民主党の安住淳国対委員長は自民党の逢沢一郎国対委員長と会談し、特措法案などの28日の衆院本会議での審議入りを求めたが、逢沢氏は復興相人事が決まっていないことなどを理由に拒否。逆に会期を大幅に延長した理由の説明を求め、来週中の衆参両院予算委員会の開催を求めた。逢沢氏は会談後、「何事もなかったような顔をして法案の審議に入る状況にはない」と述べ、簡単には特措法案の審議に応じない構えを見せた。
自民、公明両党と50日間で合意していた延長幅を特措法案審議を理由に強引に70日間にさせたのは首相自身。衆院を通過後60日間経過すれば、野党が多数を占める参院で採決されなくても、衆院の3分の2以上の賛成で再可決が可能になるからだ。
会期内の再可決には7月2日までの衆院通過が必要だが、このままではそれも不可能だ。たとえ野党側が審議に応じたとしても、その先にもいばらの道が続く。自民党は対案の提出を検討しており、対決姿勢を崩していない。
民主党の岡田克也幹事長らは公明党などに期待感を示す。公明党はこのほどまとめた総合経済対策でエネルギー政策の見直しを明記。「再生可能エネルギーの割合を高めるため再生可能エネルギー買い取り制度の活用」を強調した。
ただ、制度が導入されればさらなる電気料金の値上げが予想される。このため同党の井上義久幹事長は24日の会見で「落ち着いた議論が必要だ」と、慎重審議を求め早期採決にくぎを刺した。同党内には首相が法案成立を退陣条件に掲げたことで議論が拙速に進められるとの警戒感も強い。
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【地デジ カウントダウン】あと1カ月(中)
3月11日。震度6強の激しい揺れがようやく収まった後、停電した工業用刃物会社「東洋刃物」本社(仙台市宮城野区)で、高橋允(まこと)専務は携帯電話を取り出し、ワンセグ画面に見入った。
「大津波警報だ」
本社は仙台塩釜港からわずか500メートルほど。一刻の猶予もない。約100人が避難所へと走った。高台の多賀城市文化センターにたどり着いた午後3時半ごろ、本社と工場は津波で全壊していた。
「停電でテレビは消えたが、ワンセグのおかげで情報が早かった」と高橋専務。
JR新地(しんち)駅(福島県新地町)では、停車中の常磐線車両に居合わせた福島県警の巡査2人が、乗客のワンセグで警報を知った。巡査は乗員乗客40人を高台に誘導し、津波を逃れた。
情報が生死を分けた東日本大震災の現場。平成18年に始まったワンセグは地上デジタル放送のサービスの一つ。地デジ化を進めてきたことは、確実に人々の命を救った。
NHK広報部は「地デジの機能は被災地でこそ発揮されている」と指摘する。ワンセグが役立った以外にも、同じチャンネルで複数の番組を同時提供する「マルチ編成」、「データ放送」などが特長を発揮したという。
たとえば4月17日、東北地方でプロ野球・楽天の試合を中継していたNHKは、飛び込んできた福島第1原発の事故収束工程表の発表を、マルチ編成で放送、野球中継の中断はなかった。データ放送では、放射性物質の飛散に関連して3月28日から福島、新潟、水戸放送局で「風の予報」を新たに提供し、福島では4月19日から「環境放射能測定値」も提供している。
地デジで標準機能となった字幕放送は、平常時の1日4時間から震災後は7時間に拡大。また、ハイビジョンの効果は明らかだった。避難所を映したテレビ映像から避難者名簿の文字などを読み取り、それをネットでデータベース化する作業が震災後は活発に行われた。アナログ放送ではにじんで読めない、地デジだからできた作業だった。
総務省は、震災被害が深刻な岩手、宮城、福島の3県での地デジ完全移行を、予定の7月24日から最大1年延期した。アナログ停波でテレビが見られない人が出ることを懸念した措置であり、「今は被災者に電話して『地デジのご準備はどうですか』という状況ではない」(NHKの浜田泰人・送受信技術センター長)という事情も大きい。
関係者が懸念するのは、延期で地デジ化が必要以上にスローダウンすることだ。「アナログ延長で余分な費用が発生するし、スポンサーのCM出稿にブレーキがかかる恐れもある」。CM自粛で4〜6月の放送収入が前年比約6割に落ち込んだ仙台放送の小野寺秀彰技術局長は、危機感を募らせ、延期期間の短縮を求める。1年延期で必要な費用について、NHKと民放は各4億円と試算している。
大震災1週間後の3月19〜20日に野村総合研究所が行った調査で、震災関連で重視する情報源はNHKテレビが80・5%、民放テレビが56・9%と高率を占めた(20〜59歳のネットユーザー3224人が回答)。「テレビ離れ」が言われて久しいが、震災という非常事態がテレビを復権させた格好だ。
ただ、NHKによると、震災後のマルチ編成などについて視聴者からの反響は少ない。最も多かったのは「元のチャンネルに戻すにはどうしたらいいの」といった初歩的な問い合わせだった。
地デジの利点をどれだけの人が活用し、あるいは理解しているのか。それがよく見えないまま、完全地デジ化の国策は最終局面に入っている。
【用語解説】マルチ編成
1つのチャンネルを分割し、アナログ放送と同じ標準画質で3番組まで同時に放送できる機能。たとえばスポーツ中継が延長に入った場合、次の番組を放送しながら引き続きサブチャンネルで延長戦を放送することなどが可能となる。サブチャンネルはリモコンの上下ボタンで選択でき、新聞のテレビ欄では「S2」マークに続いて表記されている。
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